異物による外耳炎
症例 オーストラリアンドゥードル 3歳 去勢オス
左耳に痒みがあり、耳の汚れが続いているとの事で来院されました。
耳鏡を用いた耳道内観察を行った所、鼓膜手前に茶色い塊が見られました。
耳鏡とは鼓膜までの耳道を観察できる器具です。
洗浄液を用いて耳道洗浄を行いましたが、
茶色い塊は取れませんでした。
まずは耳垢の塊を疑って、1週間は点耳薬の反応をみました。
1週間後の再診にて耳鏡で再度確認をしたところ、
全く形が変わらずに茶色い塊が残っていたため、
異物を疑い鎮静下でのビデオオトスコープを用いた処置を実施しました。
ビデオオトスコープとは耳の内視鏡で、耳道内を観察するだけでなく、
カテーテルや鉗子を用いて、耳道洗浄や異物の摘出が行える機器です。
ビデオオトスコープを用いて、左耳の奥から草と思われる異物が摘出できました。
外耳炎の多くは耳掃除や点耳薬、内服薬等で良化する事が多いですが、
今回の症例の様に、耳奥から原因となる異物がみつかることもあります。
耳奥をしっかり観察するには、耳鏡では限界があり鎮静下での処置が必要なケースもあります。
当院では状況に応じて、必要な治療や検査をご提案させていただいております。
耳のトラブルは飼い主さんも気付きやすいので、
何かご心配な事があれば獣医師にご相談ください。
獣医師 川口