犬の椎間板ヘルニア
こんにちは❗最近すごく寒くなったと思ったらまた暑くなったりと気温が安定しない日が続いてますね😣体調も崩しやすくなるのでみなさんも体調に気をつけてくださいね。
さて、今回は犬の椎間板ヘルニアについてお話したいと思います。
🐾椎間板ヘルニアとは🐾
犬の背骨は、7個の頸椎、13個の胸椎、7個の腰椎、3個の仙椎、の椎体からなります。それぞれの椎体は連なって脊柱管といわれる管構造を形成し、ここに脊髄神経が通っています。
椎間板ヘルニアは、椎間板は髄核と髄核を取り囲む線維輪からなっており、椎骨の間にあるクッションの役割を果たしている椎間板が飛び出して脊髄神経を圧迫し、神経に異常を生じる疾患です。生部位は約15%が頸部、約85%が胸腰部に生じるとされています。
🐾椎間板ヘルニアの分類🐾
椎間板ヘルニアは二種類に分類されます。次ではそれぞれの特徴について触れていきたいと思います。
ハンセンⅠ型
ハンセンⅠ型は、ミニチュア・ダックスフンド、ウェルシュ・コーギー、ビーグルなどの軟骨異栄養型である犬に多発し、多くは若齢で急性に発症します。軟骨異栄養犬種では椎間板を構成する軟骨に若いうちから石灰化(変性)が生じ、椎間板ヘルニアが起こりやすくなるとされています。このタイプでは遺伝的素因によって変性した髄核が何らかのきっかけで線維輪を突き破って脊柱管内へと逸脱し、脊髄を圧迫します。急性発症が多く、予兆なく突然の麻痺や痛みが生じることが多いです。
ハンセンⅡ型
ハンセンⅡ型はジャーマンシェパードドッグ、ラブラドールレトリバーな非軟骨異栄養型の犬種で認められます主に加齢により線維輪が肥厚、変性することで背側に突出することで脊柱管内の脊髄を圧迫します。同時に複数個所みられることも多く、変形性脊椎症を併発していることもあります。
🐾症状🐾
椎間板が突出した場所と突出の程度により症状が異なります。
頚部椎間板ヘルニア(首のヘルニア)では、頚部の疼痛や前後肢の麻痺が生じます。頸部の硬直、頭部の下垂や上目遣いでにらみつけるようなしぐさが特徴的です。疼痛がより強くなると食欲の低下や震え、パンティングを認めることもあります。
胸腰部椎間板ヘルニアでは、後肢の麻痺が生じます。麻痺がなく痛みだけを症状とする軽症例では腰部や背部をかばって背中を丸めるような姿勢や、抱き上げるなどした際にキャンと悲鳴を上げる、腰を上げることができないなどの症状が見られる事が多いです。
後肢の麻痺は通常膀胱の麻痺を伴い、排尿障害や尿失禁がみられます。胸腰部は脊柱管内の空間が狭いことなどから、頸部椎間板ヘルニアより重度な症例が多いといわれています。
🐾椎間板ヘルニアの麻痺の程度のグレード🐾
グレード1:痛みのみで、腰を曲げて痛そうにしていたり、動きが悪い。
グレード2:歩けはするがふらつく、感覚異常(ナックリング)を認める。
グレード3:歩行は不可能だが、後肢の感覚は残っておりわずかに動かすことができる。
グレード4:歩行が不可能で、後肢は全く動かせず皮膚痛覚も消失。深部痛覚のみ残存。
グレード5:歩行不能で完全麻痺。深部痛覚を含めた全ての感覚が消失。
注意しなければならない合併症として、グレード4とグレード5の10%前後で、「進行性脊髄軟化症」という致死的な病態へと進行すると報告されています。脊髄の病変が広がる事により進行性に脊髄が死んでしまう状態で、一度発症すると72時間以内に急速に進行し、最終的には呼吸をするための神経も麻痺するので呼吸ができずに亡くなることがほとんどです。後肢の完全な麻痺と進行性の進行、非常に強い痛みなどを特徴とします。
🐾椎間板ヘルニアの診断・検査方法🐾
・スクリーニング検査
・神経学的検査
・画像検査(レントゲン、CT、MRI)
椎間板ヘルニアの診断、検査には、これら上記の検査方法があります。
まず身体検査では神経学的な評価や疼痛点の検出、次に疑われる神経障害部位のレントゲン写真を撮影します。重症度が高いなどの理由で確定診断を行う場合は全身麻酔下での精密検査を実施します。脊髄造影レントゲン検査やCT検査ではほとんどの場合で病変部位の検出をすることができ、MRI検査は神経の障害を検出できます。
🐾治療方法🐾
軽度の場合は、鎮痛剤などの投薬と安静にすることで改善を図ります。
数週間の安静(ケージレスト)が必要になりますが、症状が安定する前に通常の生活に戻してしまうと、重症化して歩けなくなるおそれがあります。
外科手術
グレード3以降で、2〜3日の間に内科療法での反応が著しくない場合、手術の適用となることもあります。手術は根治は突出した椎間板を摘出する外科手術となります。術後管理やリハビリが非常に大切です。
🐾椎間板ヘルニアの予防方法🐾
肥満や滑りやすい床材、激しい運動、高所からの飛び降り(ソファーやベット等)などリスクになることを避け、足裏の毛を伸びっぱなしにしないなど日常のケアなどしっかりしていきましょう😊