馬尾症候群|横浜市磯子区の動物病院「洋光台ペットクリニック」

コラム

馬尾症候群

こんにちは。新しい年を迎えてから、半月が経ちましたがいかがお過ごしでしょうか?

さて、2026年の干支は午(馬)年になりますが、今回は病名に“馬”がつく『馬尾症候群』という神経の病気についてご紹介をしたいと思います。

 

 

 

〈馬尾症候群とは?〉

犬や猫の背骨(脊椎)の末端には神経の束がありますが、まるで『馬のしっぽ』に似ていることから『馬尾神経』呼ばれます。この馬尾神経が何らかの原因で圧迫されることにより、痛みや麻痺が起こる病気です。

 

 

 

〈原因〉

主な原因は「先天性」のものと「後天性」のものがあります。

ほとんどの場合は、後天性のもので加齢や慢性的な負担によって組織が変化し、神経を圧迫します。

 

 

〈後天性の原因〉

・変性性腰仙椎狭窄症

加齢にともない、背骨(脊椎)を支える靭帯が厚くなったり、関節が肥厚したりして神経の通り道が狭くなる状態です。

 

・椎間板ヘルニア

腰の最後の骨である第7腰椎と仙骨の間にある椎間板が飛び出し、神経を直接圧迫します。

 

・関節(腰仙椎)の不安定

腰と骨盤のつなぎ目部分がグラグラと不安定になることで、周囲に炎症が起きたり、骨が変形して神経をしたりします。

 

・腫瘍や感染症

背骨(脊椎)の周りにできた腫瘍や椎間板の細菌感染により、神経を圧迫・損傷させることがあります。

 

・外傷

交通事故などによる骨折。

 

 

〈先天的な原因〉

・骨の奇形

生まれつき背骨(脊椎)の形が奇形であったり、神経の通り道である脊柱管が狭かったりする場合です。

 

 

 

‹症状›

・腰や尾の付け根を触ると嫌がったり、痛がったりする。

・階段や段差のある場所の上り下りをしない。

・ジャンプをしたがらない。

・座ろうとしない。

・尾を上にあげない。

・後ろ足がふらつきやよろける。

 

症状が進むと尿失禁や便失禁が起きることもあります。気になる症状があれば、早めの受診をお勧めします。

 

 

 

 

〈好発品種〉

ジャーマンシェパードやラブラドールレトリバー、ボーダーコリー、オーストラリアンシェパードなどの中齢から高齢の中型犬から大型犬の雄に多くみられます。

トイプードルなどの小型犬や猫でもみられます。

 

 

 

 

〈診断〉

・レントゲン:骨や椎間板の変形を確認。

・CT・MRI検査:神経圧迫の程度を詳しく精査。

・神経学的検査:反射や痛みの反応を確認。

 

 

 

 

〈治療〉

痛みや症状が軽度の場合、内科治療を行います。

ケージレストを行いながら、消炎剤や鎮痛剤を内服します。体重過多の場合は腰に負担をかけないようにダイエットが重要になります。

また、滑りにくいマットへの変更や段差の解消など生活環境を整えます。

内服しても症状が改善しない場合や痛みが強い場合は外科療法を考慮します。

手術は原因にもよりますが、神経の圧迫を軽減させる目的でヘルニアを起こしている椎間板を取り除く手術や不安定な腰仙椎を固定する手術など行われます。

 

 

 

 

馬尾症候群は進行すると下半身の麻痺や排泄障害を引き起こす可能性があります。早期発見と適切な治療でワンちゃん達にかかるストレスを改善することができます。

気になる症状があれば当院までお気軽にご相談ください。

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