クッシング症候群|横浜市磯子区の動物病院「洋光台ペットクリニック」

症例紹介

クッシング症候群

動物の体は生きるための最適な状態を保つために常に監視と調整を行っています。これを恒常性の維持と言い、自律神経やホルモンがその調整に関わっています。

体を調整するホルモンはいくつか知られていますが、その中でも副腎から出る副腎皮質ホルモンは重要度NO.1と言っても過言でないくらい重要な役割を果たしているホルモンです。

副腎とは、左右の腎臓の近くに存在す長さ1㎝、幅0.5㎝くらいの小さな臓器ですが、これがとても重要な役割を果たしているのです。

 

今回の症例はその副腎ホルモンが過剰に出てしまう病気、「副腎皮質機能亢進症」通称クッシング症候群を患っている可能性がありました。

 

症例 チワワ7歳 避妊メス

 

皮膚がゴワゴワしていて、膿が出ていると来院されました。

 

 

また、水をたくさん飲んで尿の量も多いと飼い主さんも困っていました。

通常犬の飲水量は体重1kg当たり50ml前後ですが、この症例ではその3倍ほどの水を毎日飲んでいたようです。

また、腹部が膨満し皮膚の状態も悪いので、ホルモン異常を疑いました。

 

ホルモン測定をはじめとする各種、血液検査を行いました。

当院では通常は外部への検査委託が必要なホルモン検査を院内で行うことが可能です。臨床症状からすぐに副腎皮質ホルモンの検査を行い、副腎皮質機能亢進症と診断しました。

 

治療には副腎からのホルモンを抑える働きのある薬が使われます。匙加減がとても重要な薬ですので、慎重に投与量を決定しました。

 

3週間後

 

飲水量は1kgあたり100ml まで下がりました。

皮膚も状態も随分よくなりました。

 

 

この病気は、皮膚だけでなく、血栓症、糖尿病、免疫力低下、その他合併症を多く発症し、全身をむしばんでいきます。

飲水量の増加、お腹のたるみ、皮膚炎などの症状がありましたら、獣医師に相談してみてください。

院長 獣医師 松倉

 

 

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