猫の虹彩の病気|横浜市磯子区の動物病院「洋光台ペットクリニック」

症例紹介

猫の虹彩の病気

※眼科を中心に診察している小松獣医師は第2,4日曜日のみの診察となります※

(出勤日は変更になることがございます。)

 

犬と猫では虹彩の色や形が異なっています。犬は茶色が多く、円形の瞳孔をしている

ことが多いのに対して、猫は縦長で、黄色や緑、青など様々な色調を呈しています。

今回はその中でも猫の虹彩の病気についてご説明いたします。

時々虹彩に茶色のシミ(メラノーシス)のような模様がある猫がいますが、これは虹彩にあるメラニン色素を持った細胞が増えることでそのように見えます。

メラノーシスは長い期間かけてゆっくり拡大することはありますが、他の眼異常を生じることはほとんどありません。しかし、稀にメラノーシスが悪性黒色腫(悪性メラノーマ)と呼ばれる悪性腫瘍に転化することがあります。

悪性メラノーマは転移をしやすい腫瘍であるため、早期に発見し治療を行うことが望ましいです。悪性メラノーマの治療は、現在の獣医療では眼球摘出が行われることが多いです。しかし、病変が小さい段階では、メラノーシスであるのか悪性メラノーマであるかが判断が困難なケースがあり、眼球摘出を行うかの判断に苦慮することが多くあります。腫瘍であるかを判断する一つの方法として、拡大の速度をみていくことがあります。メラノーシスであれば数年単位でゆっくり拡大していくのに対して、悪性メラノーマは数日から数ヶ月で拡大する傾向があります。

そのため当院ではメラノーシスを見つけた場合は、メラノーシスの範囲が拡大しているかどうかを定期的に確認することをお勧めしております。可能な限り写真などの画像を残しておき、過去の画像と比較することで、メラノーシスの拡大がないかを評価しております。

悪性メラノーマは進行速度が速く、生存期間は著しく短くなるため、虹彩の色素沈着を見つけた際には一度病院で診察を受けられることをお勧めいたします。

 

【症例写真】

両眼の虹彩に褐色の色素があるとのことで来院。両眼ともに虹彩縁付近にびまん性に色素沈着が認められる(A)。2ヶ月後の再診時には明らかな色素沈着の拡大は認められない(B)。

 

小松

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