犬の免疫介在性好中球減少症|横浜市磯子区の動物病院「洋光台ペットクリニック」

症例紹介

犬の免疫介在性好中球減少症

治療後の血液塗抹。好中球の増加が認められる。

犬の免疫介在性好中球減少症(IMN)は、白血球の一種である「好中球」が、自分の免疫の異常によって減ってしまう病気です。

 

好中球は体内に入った細菌と戦う大切な役割を担っているため、数が大きく減ると感染症にかかり易くなったり、感染が重症化する恐れもあります。
またIMNは4歳未満の若い犬でみられることが多いとされています。
主な症状として、元気・食欲の低下や、発熱が続く・繰り返すこと、また口内炎、歯肉炎などの症状がみられる場合もあります。
診断では、体調不良の原因を探るため身体検査、血液検査、レントゲン検査、腹部超音波検査などを行い、好中球が減る大きな原因が見つからない場合に、IMNを疑って治療を開始します。
治療には主にステロイド剤を使用します。治療によって好中球の数や体調が改善してきたら薬を少しずつ減らしていきます。状態に応じて、抗生剤や別の免疫抑制剤を併用することもあります。
適切な治療により改善が期待できる病気ですが、30%の犬で再発すると言われています。そのため、お薬を飲んでいる間だけでなく、治療終了後も定期的な検査を続けることが重要です。

 

 

今回の症例
チワワ/3歳/去勢オス


来院前日から元気と食欲がなく、ぐったりしているとのことで来院されました。

身体検査では発熱を認め、血液検査では、肝数値と炎症マーカーの上昇、白血球数の低下(2,800/μl)が認められました。また、血液を顕微鏡で確認する検査では、好中球の減少と感染を示す所見がみられました。

 

血液塗抹で好中球の減少を確認(矢印:好中球)

血液塗抹で好中球の減少を確認(矢印:好中球)

 

最初は抗生剤を用いて治療を行いましたが、体調不良と発熱、好中球数が低い状態が続き、2週間後には貧血と血小板の減少もみられるようになりました。

そこで、若い年齢であること、発熱が続いていたこと、明らかな感染部位が見つからなかったことなどから特発性のIMNを疑い、ステロイドによる治療を開始しました。
すると治療開始から1週間後には、白血球数は27,500/μlまで増加し、好中球も20,000/μl確認できるようになりました。元気や食欲も少しずつ安定し、体温も平熱まで下がりました。
その後は体調と血液検査確認しながら、ステロイドの量を徐々に減らしていきました。現在はステロイドを終了するまでになり、体調は良好、IMNの再発も認められていません。

 

治療後の血液塗抹。好中球の増加が認められる。

治療後の血液塗抹。好中球の増加が認められる。

 

若齢犬で、治療を続けても元気や食欲がなかなか戻らない、発熱が続く・繰り返すといった症状がある場合は、早めにご相談ください。

 

獣医師 山口

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