猫の高ソマトトロピン症|横浜市磯子区の動物病院「洋光台ペットクリニック」

症例紹介

猫の高ソマトトロピン症

猫の高ソマトトロピン症は、主に脳の下垂体から分泌される成長ホルモンの過剰分泌が原因で発症する病気です。成長ホルモンはタンパク質や軟骨の合成を促す作用や、脂肪の分解や糖新生を行い血糖値をあげる作用などを持ちます。過剰になることにより、全身の皮膚や臓器の肥大、骨や軟骨の増生を引き起こし、特徴的な外貌を示す場合があると知られています。また、高血糖やインスリン抵抗性が起こり、多くの猫では重度のインスリン抵抗性により糖尿病を発症します。

高ソマトトロピン症は難治性の糖尿病により発覚する事が多いです。今回も、インスリンに抵抗性がある糖尿病猫で高ソマトトロピン症と診断した症例を紹介します。

症例 MIX猫 歳 去勢メス

定期検診の尿検査で尿糖が認められ、糖尿病と診断されました。

長時間型インスリンレベミル®️を用いたインスリン治療を開始し、1週間ごとにモニタリングを行うも血糖値が下がらず、外貌も含めて高ソマトトロンビン症を疑い、抗IGF1抗体を検査しました。

結果は、基準値673までのところ2000以上であり、糖尿病を伴う高ソマトトロピン症と診断されました。

高ソマトトロピン症の治療法には外科的切除、放射線治療、内科的治療が挙げられます。

 

過剰な成長ホルモンにより、特徴的な外貌を示した本例

健常猫と比較し、下顎が突出しています

外科切除や放射線治療は行える施設が少なく体への負担も大きいため、飼い主様とご相談の上、本疾患に治療反応を示すとされているカバサールの内服を始めました。

カバサール開始後、インスリン治療への反応性が変化し、下がらなかった血糖値が下がるようになりました。

糖尿病は高齢猫に一般的な病気ですが、その中で高ソマトトロピン症の有病率は1832%であったという報告もあります。外貌の変化を認めない場合もあるので、インスリンに抵抗性のある糖尿病では本疾患を疑う必要があると考えられます。

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