犬の前立腺腫大|横浜市磯子区の動物病院「洋光台ペットクリニック」

症例紹介

犬の前立腺腫大

【症例】 

M・ダックスフンド 13歳 未去勢オス

 

【主訴】

健康診断で前立腺腫大を指摘されたので去勢したい

 

【エコー検査】

前立腺腫大 直径42.8mm エコー源性は一定で嚢胞などは認めず、加齢性の前立腺腫大を疑いました。

 

症例は13歳と高齢で、臨床症状は認めない状態ではありましたが、

前立腺腫瘍の可能性も否定できず、今後のQOL維持のためにも手術を行うこととしました。

 

☆前立腺腫大は、未去勢のオスによく見つかる加齢性の疾患です

今回のように臨床症状はなく健診などで見つかることもありますが、血尿や頻尿の尿症状から見つかることもあります。尿の症状は前立腺腫大があるかぎりは治まらないため、腫大の原因となるホルモンの分泌を阻害する治療が必要になります。

治療は外科的な去勢手術が第一選択になります。

手術ができない状況では内科的にホルモン阻害剤を使うことになりますが、去勢手術と異なりすべての症例に効果がでるわけではありません。

また、生涯の内服が必要になります。

 

【手術】

年齢的なこともあり飼い主様からの希望で、術前CT&スケーリングも同時に行いました。

 

【術後経過】

術後経過は良好で、術後3ヵ月目の健診では前立腺の縮小が認められました

男性ホルモンが原因で起こる疾患は他にも以下の様なものが知られています

 

・肛門周囲腺腫:肛門にできる腫瘤。多くは良性ですが、出血や炎症を起こしやすいです

・会陰ヘルニア:肛門周囲の筋肉が萎縮して隙間ができ、そこに直腸や膀胱が飛び出してきてしまいます

・精巣腫瘍:精上皮腫、セルトリ細胞腫、間質細胞腫などがあります

 

基本的にどれも根治するためには、外科対応が必要になるものばかりです。

 

発見された時点で中高齢だったため、数年にわたり様子を見ていたら日常生活に支障が出るようになってしまった、というご相談をよく受けます。

年齢をかさねると共に腎臓や心臓などの持病をもつことも多く、ご相談を受けた時点で麻酔のリスクが大きく,判断を迷うケースは少なくありません。

 

もちろん、若いうちなら麻酔のリスクがない!というわけではありませんし、雄雌ともに避妊去勢手術後は太りやすくなる、などのデメリットもあります。

 

それでもシニアライフを快適に過ごすために、若いうちの去勢手術をお薦めします。

去勢手術に関する疑問や悩みがありましたら、どうごお気軽にご相談ください

 

獣医師 湯藤

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