キシリトール中毒|横浜市磯子区の動物病院「洋光台ペットクリニック」

コラム

キシリトール中毒

こんにちは。寒い日が続いていますが、皆さまはいかがお過ごしですか?

今年は、先月と今月に雪が降ったりと例年にくらべて寒い冬のような気がします。

手洗い、うがいをして、体調管理に気を付けてください。

 

 

 

て、犬や猫が食べてしまうと中毒を起こすものは色々ありますが、その中でも今回は『キシリトール中毒』についてお話したいと思います。

キシリトールは、ガムやタブレット、ヒト用のデンタルケア用品に含まれています。しかし、私達にとっては、虫歯になりにくくするなどメリットはありますが、犬にとっては食べてしまうと中毒を起こし、場合によっては死亡してしまうことがあります。

 

 

 

◎犬にキシリトールを与えてはダメな理由◎

犬がキシリトールを摂取するとインスリンというホルモンを多く放出し、急激に血糖値を下げる作用があります。そして、低血糖になったり、肝障害を引き起こしたりします。

 

 

 

◎犬がキシリトールを食べたときの症状◎

・嘔吐          ・黄疸

・元気消失        ・下痢

・意識障害        ・血液凝固異常

・けいれん

 

 

 

◎どれくらい食べると中毒を引き起こすの?

キシリトールはたった0.1g/kg摂取すると30~60分で低血糖を起こす。という報告があります。キシリトールは砂糖よりも体の中の血糖値を急激に下げる作用があります。それによって、吐き気やけいれん発作、意識障害を引き起こします。

さらに、0.5g/kg摂取すると肝障害や血液凝固異常を起こすこともあるので、場合によって死に至ることもあります。

キシリトールの含有量は製品によって異なりますが、ガム一個当たり含有量は約0.5gとなります。

つまり、ガム一個を体重5kgの犬が摂取してしまうと低血糖を起こし、5個以上摂取すると肝障害を引き起こすことになります。中毒症状については個体差によって異なります。0.1g/kg未満の量を食べただけでも出る場合もありますし、0.5g/kg以上食べても症状がでないこともあります。

猫については、キシリトール中毒を示さないと言われていますが、念のため注意が必要です。

 

 

 

◎治療方法◎

キシリトール製品摂取後、すぐであれば催吐処置を行い、吐かせます。

意識障害、けいれんなど、すでに何らかの症状が出ている場合は、血液検査、超音波検査を行い、点滴、注射などの処置を行います。

中毒症状は個体差があるので、無症状のこともありますが、誤食に気付いた時点で病院までご連絡ください。

その際、どれくらいの量をたべてしまったのか、誤食してからどれくらいの時間が経過しているのかをわかる範囲でお伝えいただくとより適切な処置を行えます。

 

 

しかし、キシリトール製品に限らず、犬や猫が誤食してしまったら困るものは私達人間が気をつけなければなりませんね。

ページトップへ戻る