犬の急性膵炎|横浜市磯子区の動物病院「洋光台ペットクリニック」

コラム

犬の急性膵炎

 

こんにちは。9月に入ってから、急に気温が冷えてきましたね。

セミの鳴き声も少なくなってきて、このまま秋の気配に変わっていくのでしょうか???季節の変わり目は体調が崩しやすくなるので、皆さまもお気を付けてください。

 

 

さて、今回は犬の膵炎についてお話したいと思います。

 

〈膵臓について〉

膵臓は十二指腸の近くにある小さな臓器で、インスリンなどの血糖値を調整するホルモンを分泌する働きと、「膵液」という消化器を分泌し、十二指腸に送り出す働きをしています。膵液の中には多くの消化器酵素が含まれており、食べ物の消化を助けます。

 

〈急性膵炎とは?〉

急性膵炎は膵臓内の消化酵素が何らかの原因で活性化されることで膵臓自体を消化して起こる病気です。膵臓の臓器が破壊されるとインスリン分泌に異常をきたすこともあり、炎症が落ち着いた後も血糖コントロール不良などの症状が続くこともあります。症状は軽度から重度まであり、重度の場合は死に至ることもあるので注意が必要です。

 

〈症状〉

・食欲不振

・嘔吐(数回から頻回)

・下痢

・発熱

・腹痛

・沈うつ

 

急性膵炎は強い腹痛を伴うこともあるため、体を丸めてお腹を気にする様子やフセの体勢でお尻だけを持ち上げるポーズをとることもあります。

 

 

〈原因〉

はっきりとした原因は不明ですが、高脂肪食を食べていたり、内分泌疾患を患っていたり、肥満であったりするとリスクとなります。また、ゴミや食べ物の屑を食べることも危険因子になることもあります。

 

 

〈検査〉

・血液検査

・超音波検査

 

全血球検査(CBC)、炎症マーカーであるCRP、肝臓、腎臓、膵臓の項目の検査していきます。超音波検査では腹部の状態を確認するとともに他の臓器への影響がないかどうかを調べます。

 

 

〈かかりやすい犬種〉

・ミニチュア・シュナウザー

・ヨークシャテリア

・トイ・プードル

・チワワ など、あげられていますが、全犬種で起こり得ます。

 

全年齢でおきますが、特に中高齢でなりやすい。

 

 

〈治療方法〉

・輸液療法

・制吐剤、抗炎症剤の使用

・食事療法(低脂肪食)

 

食欲不振や嘔吐、下痢による脱水改善するために点滴を行います。嘔吐に対する治療として制吐剤を使用します。抗炎症剤についてですが、「ブレンダZ」という2018年に世界初の犬用膵炎の承認薬となります。当院でも取り扱うようになり、犬の膵炎の治療薬として使用しています。

ごはんは、嘔吐が治まってから、少しづつ消化の良い低脂肪のご飯や水を様子を見ながら与えてください。低脂肪食の療法食がありますので、ご相談ください。

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